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富田林きらめき農業塾のさらなる発展と継続を!
(1) 本市として農業塾運営側と農業塾生や新規就農者のサポート体制と仕組みの確立を、その方針を問う
(2) 新規就農者の獲得のために農機の貸し出システムの構築と農のつどいの場、拠点作りを
(30年度の統計では)富田林市の総農家数は府内43ある自治体のうち本市は6位
販売農家数としては府内8位、耕地面積は664ヘクタールで府内5位となっています。
本市は大阪市内から近い「大都市近郊農業」という特色もあり、新鮮で安全な農産物の供給力はかなりの強みであり流通の確保のほか、西板持や彼方地域のなす、きゅうり、海老芋、トマトの農産物の富田林ブランドは確立されています。
富田林市の農業の課題は日本の農業の課題
人口減少に伴い農業事業者の減少はこの議会でも何度も取り上げさせていただいています。
(都市農業振興策定会議において)富田林の農業者は各地域、担い手不足の問題があります
令和2年度富田林市農業従事者アンケート調査の結果報告によると
回答世帯799世帯 有効回答率47.8%
富田林市の全地区で農業経営者の後継者の有無に対しては
有りが46.2% 無しが23.1% 数字の高い地域では後継者無しが中野地域で33.3%、彼方地域で27%でした。
また耕作していない、できなくなる理由についての回答では
上位3位は 高齢で体力がない 38.1% 後継者がいない30.1% 農地の条件が悪い 19.9%でありました。
新規就農を含め新たな担い手が入ってくる必要性を感じていると答えた地域が
東条地区で52.8% 彼方地区44.3% 喜志地区37.0% 西板持地区は25.6%でした。
今現在はこの様な現状となっております。
5年後10年後20年後に今の数字を維持し、更に農業従事者を増やすには、今すぐ動かないといけないのです。
農業振興問題を取り組む中で地方に行き、農業塾の取組を研究してまいりました。
自分の研究として地方を歩き、地方はもっと深刻でした。わたくしが成功事例として各会議や打ち合わせなどでもご紹介させて頂いてきましたが、
その中で紹介し続けてきた事例として、石川県羽咋市の、のと里山自然栽培「聖地化」プロジェクト5か年計画があります。
JAと連携した6次産業化事業を加速させた地域に人と移住者を集める市とJAによる取組みは、木村秋則氏が提唱する「自然栽培」に、全国から新規就農を目指す若者たちが農業塾の入口を使い、5年間で約 300 名が羽咋市に集まりました。私が研究した2017年の農業塾の参加者は70名を超えていました。
羽咋市の農業塾の取組みは自然栽培の米や農産物、六次産業化した商品などの売り上げは安定していて、まちの大きな利益にもなっています。そしてなにより安心して農業で食べていける仕組みとネットワークサポートシステムのおかげで定住人口、交流人口の拡大を続けています。
このように日本全体の課題として担い手不足や地域振興を試行錯誤しているわけです。
農業塾という切り口はどこの地方にもありますが、農業を新たに始める人を増やすきっかけとして絶大な効果があります。
富田林市で市内にて「有志の農業者」が平成27年に「富田林市の農業を創造する会」を設立しました。いわば次世代の農業を担っていく頼もしい存在でもあり、力強い農業者さんでもあります。常日頃から皆さんの大変な農作業をしながらの難しい経営の苦労話を聞かせて頂きますと、一次産業である農業を絶対に守らないといけないと強く思うのです。皆さんの食卓に並ぶ新鮮な野菜はス-パーの引き出しから出てきたものではなく、1次産業の担い手が汗水流して大変な中、育てた大地の恵みの結晶なのです!
富田林市の農業を創造する会は、
平成29年に大阪府とJA大阪中央会主催の新規就農事業「はじめの一歩村」の研修受け入れを団体として受け入れたところから農業塾の一歩が始まります。この事業を2年間にわたり取り組み、就農希望者31名の研修を受け入れました。(約3分の1の方が新規就農者として本市にて農業をされています)
その間、農とみどり推進課と共に丹波市への視察(みのりの学校)へ行き、農業塾の取組を本市に誕生させるため何度も会議を重ね、農業委員会やJAとも話し合いをしました。議会におきましてもこのことを提案し、農業塾の仕組みを富田林市に作る準備も今現在も行っております。
なぜなら農業振興を進める上で自治体や関係各位との連携は不可欠だからです。
話はもどりまして、「はじめの一歩村」事業は堺市に移り、本市では2年間で一度終了しました。その間見えてきた課題がたくさんありました。以前も議会質問で紹介させて頂きましたが、富田林市で農業を学んでも農業を始める人も少なくなかったのです。
富田林市の農業塾で学んだ生徒さんは全員新規就農者として本市で農業を担って頂きたい。と考えるところでございます。
さて農業者さんと本市の農業振興課とも課題解決すべく様々な取組をこの2年間、行動していく中で、引き続き、富田林市の農業を創造する会が(令和元年度)に農業人材力強化総合支援事業のうち地域の新規就農サポート支援事業の事業団体として採択されました。
これをきっかけに走りながらではあるけれども、本市の農業塾の基礎を作るために「富田林きらめき農業塾」が誕生したのです。地域の農業を支えてきた若手、農業を創造する会が「はじめの一歩村」の実績や大きな大きな努力をもってなんとか踏ん張って今に至るわけなのです。
富田林きらめき農業塾の内容を紹介します。
農業塾の取組には必要な業務が多岐にわたります、就農支援として
農業塾に興味を持った新規就農希望者からの相談を受ける窓口を一本化して研修受け入れをします。
塾では専門家や他市での先輩の講義なども実施されていて富田林一部ですがきらめき農業塾での座学のタイトルを紹介します。
「農業経営を大きく変える小さな改善」を担当した東京大学の学部出身のナシ農家さんの経営をサポートするファームサイド株式会社 佐川智彦さんは「農業経営改善、取り組み事例」をご自分の体験を実際に事例集として現場優先型ボトムアップ課題解決法等を講義。
農業における経営管理のポイントは 公認会計士・税理士の原田氏が講義。
農業におけるサプライシェーンの構造・流通の手段・契約内容などの基礎知識を学ぶ 株式会社ベジフル 大西さんは 以前富田林市に住んでいた方の講義。
農業関連法規、農業行政についての講義は株式会社マイファームが行いました。
全てはご紹介できませんので今回は割愛させて頂きますが、もちろん座学だけではなく農業の現場へ行き、作物を育てながら現場の仕事を学んでいきます。
このように富田林きらめき農業塾で学べることは、新規に農業を目指す方には凝縮された学びがあるのです。
農業塾での学びのあとは、さらに学びが続きます。ここで最も大切なのは就農がきまった方へのサポート体制なのです。先ほど紹介しました石川県羽咋市でも新規就農者への手厚いサポートがその後の新規就農者の移住の意思決定に大きく影響を与えています。羽咋市は古民家を拠点として、就農希望者が無料で宿泊でき、米は宿泊期間中の2週間は食べ放題で提供、地元の農家さんはじめ、JAや行政職員、農業者の先輩などとの交流があり、高額な農機具などのレンタルのシステムも充実しています。
新しく本市で農業を担ってくれる人材は宝です。その人財を本市行政でも連携、サポートすることが、富田林きらめき農業塾で学んだ生徒が必要とするところです。
どこの地域で農業をするのか?遊休農地のマッチング、JAのバックアップ、農業委員会との連携、地元の農家さんとのつながりを作りつつ、良い人間関係の中で就農後も栽培のサポートや販路のサポート、等 新規で農業をする人に必要となることは本当にたくさんあるのです。
たった一人では農業は続けられません。
ここまでご説明しまして富田林きらめき農業塾のさらなる発展と継続がいかに本市の農業振興、経済産業として寄与し、市民や国にとり大切であるということがご理解いただけたと思います。
そこで
- 本市として農業塾運営側と農業塾生や新規就農者のサポート体制と仕組みの確立を、その方針も含めてお聞きします。また(2)新規就農者の獲得のために農機の貸し出しシステムの構築と農のつどいの場、拠点作りを検討して頂きたいので本市の考えを前向きに回答ください。