私の志について
② 真面目ひとすじの父親
父は祖父と同じ会社、近畿日本鉄道㈱に入社しました。高度成長期時代に近鉄が行った数々の事業に父が関わり、地図に残る仕事を積んできた事も中学生の時の私は殆ど知りませんでした。わたしが中学生の時に私の父と母は離婚しました。
 その数年あとに父が再婚し私には25歳も年齢の離れた弟がいます。とにかくサラリーマン時代の父は会社と関西の鉄道の普及やハード整備の基礎となる工事事業を日々こなしていました。父の世代は働いて、働いて会社や社会の発展の為に日本を築き上げてきた世代といっても過言ではないでしょう。そんなことも知らずに私は祖母に甘えて、守られ何も考えずにただ学生としての時間を淡々と過ごしていた記憶しかありません。
 この時に記憶に残っているのは「本を読め」と口癖のように言っていた父と、わたしに勉強を教える為に自宅に黒板を買ってきて父のオリジナル授業が夜にはじまるのです。教えることに熱中する父はわたしが居眠りをしていることすら気が付かないままでした。時間をかけて熱心に勉強をさせられた私にとっては嫌いな時間でした。(笑)
 あの時にもっと早く勉強の大切さに気が付けばよかったのですが、それに気が付くのはなんと30年以上も後のことになりました。親の心まったく気が付かないまま過ごした幼少期~青春時代です。今思い返せば親に心配ばかりかけてただ野性的に育った自由奔放な子どもであった幸せなじ時代です。ほんとうにありがたいです。